• 看護の知識や技術を身につける、と言ってもどのような立場の人がどのようなレベルのものを学びたいかで勉強の方法も違ってきます。これから看護師になろうという学生ならば専門学校や大学で高度な看護技術を身につけることになりますが、家庭で看護をするためにはプロレベルの医療知識は必要でなくても、基礎的な看護技術や知識があるだけでいろいろな場面で役に立ちます。さらに、より高度な看護技術を目指す看護師であれば研修を受けて認定看護師や専門看護師を目指すこともできますし、保健師にステップアップする人もいます。

    しかし、どういった形で勉強するのであれ全ての看護技術の基本となる部分を押さえておかなければ本当の看護技術を身につけたことにはなりません。近代看護を創始したナイチンゲールがその著書「看護覚え書」の中で語っている看護の理論がその基本となるものです。具体的な手技については実際の所、現場での研修や勉強会など経験を積み重ねて身につけるしかありませんがそれを支える知識や資質といったものもおろそかにしてはいけません。

    看護師という職業は人を相手にする仕事なので高い対人スキルが必要です。しかもその人たちは怪我や病気で苦しんでいるので一般の接客業以上に相手をよく見て思いやる気持ちや素早い対応力などそれなりの資質が求められます。ある程度医療の知識や技能を持っていたとしても、患者の気持ちも考えずに行動し、十分なコミュニケーションも取らないような看護師がいたとしたらその人はまっとうな看護技術を身につけているとはとても言えません。単に知識や技能の勉強をするだけでなく、看護師としての資質を磨くことこそが高い看護技術を身につけるための道筋なのです。

    また、看護師以外にも在宅で高齢者をケアしているような家庭が看護の知識や技術を必要とする場合があります。以前はほとんどの人が病院で亡くなっていましたが、最近では在宅医療のニーズが高まっていて家庭で高齢者や病人を看護することも珍しくなくなってきています。患者の家族が身につけるべき看護技術も基本的には看護師の持つ看護技術と同じです。しかし、設備の整った病院とは違い、一般家庭ではそれぞれの環境に合わせた看護を考えなくてはなりません。家族がそういった看護の技術を身につけるには市役所の福祉課や病院などの医療施設を訪ねてもいいのですが、最適なのは訪問看護を利用してその看護師から学ぶ方法です。訪問看護師は患者だけでなくその家族に対しても支援を行います。看護師に知恵を借りることで看護に使う道具の活用法から生活支援のコツなど、その家庭それぞれで最適な看護技術を身につけることができます。

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